【続】皆既日食 そのとき機内では…
声を掛けられたA席の人…おそらく驚きの表情だったと思います。
普通、飛行機で窓の外を見せてくれって頼まれることって、有り得ませんよねぇ。
狭い座席と小さな窓ですから、一時的に席を立って替わってくれと言っているのと同じですもんね。
それをお願いするのも相当の気合いが必要だと思いますが…、言われた方も、大人である以上は露骨に嫌だとは言えませんよねぇ。
どんな表情かは窺い知れませんが、ほとんどの人は覗かせてあげていた様子です。
すぐ前の席の人はリクライニングを思いっきり倒して、前の空間を空けて覗かせてあげていました。
SIOUXの席も例外ではなく、小学生を連れたお母さんや、若い女性2人組など、3~4組から見せて欲しいと言われ、しばらく席を立って順番に見てもらいました。
その間は、機内でCAさんと立ち話をして暇潰しです。
他の席では、A席の人の日食グラスを借りたまでは良かったものの、覗きながら「見えなぁ~い!」と困ってる若い女性が…。
「コンパクトをお持ちなら、鏡に映すと見えますよ。」と声を掛けました。
すると、あちらこちらでコンパクトが出現!
男性は準備をしないと鏡なんて持ち合わせませんが、流石に女性はみなさんお持ちのようで、今度は日食グラスを貸したA席の男性がコンパクトを借りて見ることができた人もあったようです。
こんな風に偶然乗り合わせた人は、欠けた太陽を見て「すごぉ~い!」とは声を上げるものの、そもそも日食自体に興味なんてありませんから、短い時間で交代されてましたよ。
おかげで10分ほどで席に戻ることができて、皆既日食には間に合いました。
いよいよ皆既日食の状態なると、機内では歓声が上がりました。
すると…またまた「見せていただけませんか?」と、先ほどのように…。
しかし、今度は2組だけでした。
先ほどは機長のアナウンスがあったから気になって行動したけど、今度は何故歓声が上がっているのか、太陽がどんな状態になっているのか、興味のない人には解らなかったんだと思います。
僅か数分の皆既状態なので、今度は席を立たずに鏡を覗かせて差し上げる程度にさせていただきました。
この瞬間を目的に乗っているので、申し訳ないとは思いましたが、座ったままでご勘弁いただきました。
「すっごぉ~い!」とは声を発しつつも、観ているのは数十秒。
やっぱり興味のない人にとっては、見たという事実だけで満足される様子です。
その後は、じっくりと黒く輝く太陽を見つめることができました。
ダイヤモンドリングの後、外が一気に明るくなると、この騒ぎも一気に収束。
まだまだ太陽は大きく欠けているのに、誰も興味を示しません。
A席に座っている興味のある人だけが、那覇までの間も太陽を見続けているのでした。


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