さて、外湯へと出かけようと思います。
城崎温泉は7つの外湯があり、各々の旅館から浴衣姿で下駄を鳴らして巡るのが、楽しみのひとつです。
通常の場合、宿の紋をあしらった浴衣ですが、最近は主に女性をターゲットにして、色浴衣を貸し出す旅館があります。
但馬屋さんも色浴衣を用意されていて、男性用の色浴衣もありました。
個人的には、宿紋の浴衣が風情があって好みなんですが、夫婦で揃っているほうが良いと思ったので、色浴衣をお借りしました。
外湯には、昔は手ぬぐいを持って行ったんでしょうが、イマドキはタオルですよね。
ハンドタオル程度なら、昔ながらの竹で編んだ筒篭に入れてぶら下げるんですが、さらにバスタオルと嵩張るものを持ち歩きますので、筒篭には入り切りません。
ここでは、リニューアルに併せて造ったと思われる絞り口の袋が用意されていました。
純色の黒と赤の2種で、白抜きの文字が一面に書かれています。
これは実用性オンリーで、お洒落さとは無縁のものでしたが、宿紋などでオリジナル感はありました。
そして、外湯では入浴料が必要ですが、旅館の宿泊客は無料で利用できます。
以前は、宿の玄関辺りに紙製の入浴券が置かれていて、それを自由に持っていって外湯の入場時に渡す方式でしたが、今はゆめぱというシステムが導入されていて、登録したおサイフケータイや電子マネーカードか、バーコードをかざして入場するスタイルに変わっています。
時代の流れによって、利用客には簡単で便利なもの、温泉側にはデータ収集・統計が簡単なものになりましたが、紙製の入浴券だって近代になってからのものでしょうから、情緒や風情の無さには、あまり変わりはありません。
手形や木札の内部にICカードが仕組まれていて、それをかざして入場するなど、ちょっとした演出が欲しいところですね。
宿から出かけるときは、玄関に多くの下駄が並べられているので、どれでも突っ掛けて履いていきます。
下駄をカランコロンと鳴らしながら浴衣で歩くのは、昔と変わらず情緒と風情を感じる世界です。
贅沢を言うならば、自動車の通行を禁止して、歩行者専用道路として欲しいところですが、宿へのアクセスの利便性を考えると難しいところなのでしょう。
せめて大谿川の河岸に遊歩道が整備されていれば、まんだら湯から地蔵湯までの散策に風情が演出できるのではないでしょうか。
道路沿いに集中する土産店の客入りに影響してしまうため、これも難しいんでしょうかね。
さあ、まんだら湯に着きました。
このまんだら湯は、あまり規模が大きくないため浴槽も小さく、人気が無い外湯だと思い込んでいましたが、意外や意外、結構な混雑ぶりでした。
景気低迷の時代には、商売繁盛・五穀豊穣、一生一願の湯って、やっぱり魅力的なんでしょうね。
ゆっくり温泉に浸かったら、宿に戻って夕食をいただきましょう。
この続きは、また今度のお話に。
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