この宿に対する苦言になってしまうんですが、実は、到着したときから、ずっと何かしらの違和感を感じていました。
それが何なのかが、だんだんと判ってきたんです。
大浴場から部屋に戻る途中、ゲームコーナーに寄りました。
スペースはさほど広くはなく、小ぢんまりしたものですが、任天堂の歴代家庭用ゲーム機が無料で楽しめるように置かれていました。
そのうちのひとつ、最新のゲーム機Wiiが使えない状態のまま放置されていました。
おそらくコントローラーの電池切れだと思いますが、それが放ったらかし状態なんです。
しかたなく少し古い時代のスーパーファミコンで遊んでいると・・・とある1組のカップルから声をかけられました。
部屋の鍵を紛失したが、ゲーム機の近くに置き忘れていなかったかと言うのです。
付近にはなかったことを答えましたが、その後、そのカップルが回廊を3回ほど探して回っているのを見かけました。
旅館のスタッフが一緒に探す様子はなく、カップルだけが探しているのです。
明らかに探し物をしている挙動の2人に、旅館のスタッフは声をかけていないと思われます。
その後、部屋に戻り、寝ようと布団に入りました。
すると、隣の部屋から大声で話したり、笑ったりするのが聞えます。
超お値打ちプランの場合、団体客の部屋割りの結果、同一階で中途半端に残った部屋を割り当てられることが多く、団体客と隣り合わせになることは覚悟していました。
しかし、その若い男性グループ客の大声は12時を過ぎても収まらず、あまりにも酷いのでフロントに苦情を伝えました。
さて、こんな場合、旅館はどんな判断をするでしょうか。
格安プランであまり利益をもたらさない客からの苦情に応えるか、宴会で多くを飲食する利益をもたらす団体客に注意をするのか、それによってどちらの客を失うのか、どちらが今後の利益につながるのか・・・そういうことを判断することになるのでしょう。
結果、団体客に注意をしてくれたかどうかは判りませんが、2時半過ぎまで大声は止まなかったことだけは事実でした。
あんまり大声が止まないので、部屋に居ても落ち着かず、もういちど大浴場に向かいました。
すると、エレベーターホールで、玉切れの非常口表示に目が留まりました。
これは、宿泊客の安全に直接かかわることですので、疑問を感じずにはいられませんね。
切れたタイミングにもよるでしょうが、廊下は定期的な巡回がされているはずです。
ましてや、部屋がうるさいと注意に来ていたのなら、この玉切れに気付かないはずはないでしょう。
浴場の貸し出しタオルやバスローブの積み方も雑でした。
客が手にとって返しただけなら、一番上の数枚しか乱れませんが、何枚もがまとめて単位毎に乱れています。
その厚みも下に詰まれているものはペチャンコです。
新しい物を積むときには、先に積まれていた物の下に積むなど、順番に積み換えるのが普通だと思いますが、単に新しい物を上に積んだだけの様子で、これでは下の物はいつ積まれた物だか判りませんね。
感じていた違和感は、こういうところだったのです。
この旅館は、設備は整っていて立派な造りです。
宮内庁御用達になる程で、他の旅館に決して引けを取りません。
最近の時流に沿ったサービスも提供しています。
でも・・・どうも客に向けての心遣いを感じない部分があるのです。
どのスタッフも自分に与えられた担当の作業はこなしているのでしょうが、それ以外のことに気付こうとしないのではないでしょうか。
つまり、旅館全体の目的に向けた自分の位置づけが理解できていないため、作業で終わってしまっていて仕事には至っていないと感じられてしまうのです。
これは、単なる個人の戯言ではありますが、他の宿泊客も同じように感じ取っていらっしゃるのではないかと思います。
奢れる者久しからずと言われないよう良い旅館であり続けて欲しいと思います。
誤解のないように書きますが、旅館としてちゃんとサービスは提供されていますよ。
心遣いが行き届いているところもあります。
例えば、就寝用浴衣を準備していただいていました。
温泉に浸かった後の浴衣は汗ばんでしまいます。
眠るときにサッパリと新しい浴衣に着替えられるのは、とてもうれしいサービスでした。
このようなアイデアと心遣いを実践できるスタッフがいらっしゃるのですから、人材の育成に力を入れて欲しいですね。
この続きは、また今度のお話に。
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