閉園から7か月 加悦SL広場の今 未だ救世主は現れず
加悦SL広場は、京都府の丹後地方にあった私鉄の加悦鉄道(大正15年~昭和60年)の所有していた車輌等を展示していましたが、令和2年3月31日をもって閉園されました。
加悦鉄道は、主には大江山鉱山からのニッケル鉱石の輸送を担いつつ旅客輸送も行っていたのですが、ニッケル採掘の中止、国鉄宮津線の貨物輸送の廃止に伴って経営の見通しが立たなくなり、全線が廃止されています。
展示に関しては、昭和52年に当時の加悦駅構内で所有の休車の展示を始め、平成8年には現在の大江山鉱山駅跡に移転、日本における鉄道文化の輸入・発展を語る上で、非常に貴重な歴史的資料となり得る車輌も展示されていました。
長らく親しまれてきたのですが、展示車輌・施設の老朽化に伴い、維持管理が困難となり、惜しまれつつ今年3月31日に閉園となっています。
閉園直前には、コロナ禍にあっても多くのファンが来園し、SIOUXの知る人気YouTuberさん達自身が来られた時の動画も投稿されています。
・・・閉園から7か月が経ち、閉園前には動画投稿のあったYouTubeも、その後は新たな投稿がないため、最近の実情を知る術がありませんでした。
そこで一念発起。
実際に現地へと出向き、現状を見てきたというワケです。
現在の状況はというと・・・入り口は封鎖され、注意喚起の看板が立てられていました。
中には入れませんが、隣接する国道の歩道橋から覗うことが可能です。
ブルーシートが目立ち、雨水の侵入による劣化・腐食を防ぐ手法は執られていますが、それも全てではなくて最小限の範囲です。
風雨に晒されるとブルーシート自体も劣化をしますから、いずれは破れて雨水が侵入するでしょう。
このブルーシートだってタダではありません。
交換するには、ブルーシート代も人件費も必要です。
車輌たちは、この状態でいつまで持ち堪えることができるでしょうか・・・。
この施設を受け継ぎ、引き受けてくれる先を探す努力は続けられているかもしれませんが、この7か月の間に大きな動きはない様子です。
間の悪いことに、オリンピック特需で潤うハズだった2020年は、新型コロナウィルス感染という大事件で、一転、大打撃の年となりました。
経済は冷え込み、この施設を引き受けてくれる余裕のある個人・企業は期待できませんね・・・。
文化財的な価値も、美術品や絵画のように、金銭に換算できてこその価値であると考える人がほとんどです。
この車輌たちには、そんな金銭的な価値を見出す人は居ないでしょう。
未だ現れぬ救世主。
この施設は、今後どうなっていくのでしょうか。
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