前回は、トワイライトエクスプレス瑞風が山家駅で退避して2本の定期列車に道を譲るという記事を投稿しましたが、今回は逆です。
本来は臨時列車であるトワイライトエクスプレス瑞風よりも、定期列車が優先されるダイヤが組まれるのが一般的なんですが、状況によっては効率的な運行を促すために、稀に定期列車の側を退避させ、臨時列車を優先的に通過させる場合もあります。
今回の例は、かなり特殊な要素も含んでいます。
・・・というのも、トワイライトエクスプレス瑞風の運行日に限ってだけ退避する快速列車が、かなりクセの強い列車なのです。
従来は普通列車として各駅に停車していたダイヤの列車を、近年の駅の利用率の低下によって一部の駅を通過させる快速列車として運行しています。
が、しかし、ダイヤの筋としては、従来の普通列車と基本的に変わらないのです。
どういうことかというと、従来は各駅に停まっていた普通列車を、ほぼそのままに安栖里・立木・山家と3駅を通過させ快速列車と銘打っているのですが、3駅も通過した分だけ早く着くにもかかわらず、途中の綾部駅で8分間も停車するので、綾部駅の発車時刻は普通列車の場合とほぼ同じで変わらないため、当然ながら終点の福知山駅への到着は普通列車とほぼ同じです。
これでは何のために快速列車として運転してきたのやら、訳が解りませんね。
これを逆手に取り、山家駅で3~4分の待ち合わせをして遅くなっても、次の綾部駅の発車時刻には充分過ぎるくらい間に合うため、山家駅でトワイライトエクスプレス瑞風の通過を優先できるというワケです。
でも、これはJR側の都合だけであって、利用者の都合は何も考えられていません。
例え綾部駅の発車時刻は変わらずとも、快速として運転したことで綾部駅にもっと早く着くハズが、遅れて到着するんですからね。
しかも、3駅の通過の意味が解らない。
通過した分だけ早く着くように目的地まで運行されるのなら解りますが、通過した分で貯金した時間を直後の途中の駅で無理やり元に戻すなんて・・・。
綾部駅から福知山駅までは複線区間ですから、対向列車を待ち合わせる必要なんてありません。
それに合わせて接続する舞鶴線のダイヤを組み替えるとなると、結局は山陰本線への直通特急のダイヤにまで影響してしまいますから本末転倒。
状況を考えると、そもそも3駅を通過させる快速列車そのものに意味がないのです。
通過するどの駅で待ち合わせても離合は可能なのですから、通過せずに営業停車をする普通列車として運行しても何の問題もないんです。
だって日中のパターンダイヤの時間帯では、この快速列車よりも所要時間の短い設定の普通列車がほとんどなんですから・・・。
もし意味があるとすれば、利用率低下を根拠にした将来の駅廃止の理由付けの統計のために意図的に利用できなくしたということぐらいでしょう。




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