乗車運賃と特急料金、そして所要時間についてご紹介しましたが、今回は、もうひとつの不思議な・・・と言っても、特例を含めて規定どおりに計算された料金なのですが、直感的な発想とは異なるような不思議な乗継料金について、ご紹介しましょう。
福知山で乗り換えても1列車とみなして通算距離での特急料金になることは良く知られているのですが、福知山線経由よりも山陰本線経由の方が安い料金になることや所要時間が短いことは意外と知られていません。
さらに今回にご紹介するのは、新幹線との乗継料金です。
説明をしやすい列車を選んで、ご紹介しますね。
城崎温泉から新大阪に向かう場合、みなさんなら福知山線で大阪を経由して新大阪へ行くことを発想されるのが普通でしょう。
その際、城崎温泉を16時31分発の特急きのさき20号を利用することを想定しましょう。
特急きのさきは京都行きですので、相互乗り換えができる福知山で福知山線経由の特急こうのとり24号に乗り換えて新大阪に向かう場合、通算距離の特急料金が特例適用されて指定席特急券は2250円で済みます。
乗車運賃は187.5kmで3350円なので、合計5600円です。
所要時間は乗り換え時間を含んだ場合、3時間13分かかります。
福知山で乗り換えずに、そのままで山陰本線を経由して京都へ向かっても、指定席特急料金は2250円で同額になり優位性が無くなってしまいます。
乗車運賃は197.0kmで3670円で合計は5920円となり、比較して高くなりました。
所要時間は乗り換え時間が短くて済むので、3時間6分と若干早く着きます。
料金面では、山陰本線で京都を経由する優位性が無くなってしまったと思ったんですが、最後にとっておきの裏技(あくまでも規定どおりの表技なのですが…)がありました。
実は特急料金は、新幹線に乗り継ぐと半額になる特例があるのです。
つまり、京都から新大阪までは、新快速に乗るのではなくて新幹線に乗るのです。
え?新幹線は高いだろうって?
いえいえ…これも特例で、1駅間の新幹線自由席特急券は安く、京都~新大阪は860円なんです。
つまり、1740円以上の特急券が必要な場合は、新幹線に乗り継いだ方が安くなるんですね。
これを利用すると、特急きのさき20号の指定席特急券は半額の1120円(10円未満切り捨て)になり、新幹線自由席特急券の860円を足しても1980円に安くなります。
これで、特急料金が1980円、乗車運賃が3670円で合計5650円になりましたが、残念ながら福知山線経由と比べてもまだ50円高くなっています。
しかし、この料金は通常期での計算です。
お盆や年末年始などの繁忙期は指定席料金が高くなりますから、指定席特急料金は2450円になるんです。
この場合は、半額になった指定席特急料金は1220円(10円未満切り捨て)になって、その結果は山陰本線で京都を経由して新幹線を利用すると合計5750円で、福知山線で大阪を経由した場合の合計5800円に比べて、50円だけですが安くなるんです。
所要時間は乗り換え時間を含めても3時間2分と、福知山線経由よりも10分以上早く着くんです。
特に新幹線は、京都と新大阪には全ての営業列車が停車しますし、最短3分毎に次の列車が来るので、新快速の15分毎よりも便利に使うことができますよ。
その所要時間はわずか13分ですから、荷物を持ちながらデッキに立っても耐えていられる時間です。(笑)
どうです?
鉄オタだからこそ知っている北近畿ビッグXネットワークの不思議な特急料金と所要時間の関係。
興味のある方は、上手に使い分けて、お得に便利に、北近畿方面の特急を活用してみてください。
ちなみに…伊丹~但馬を飛行機で行くと、JALの先得で7600円くらいで、所要時間は35分です。
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